「ホームページはあるけれど、問い合わせが来ない」
「数年前に作ったままで、更新もしていない」
──このような声を、私たちは多くの企業から伺います。
近年の調査まとめによると、小規模企業ではおよそ半数、中規模企業では約8割、業種によっては9割を超える企業がホームページを開設しています。
それでもなお、「活用できていない」「放置している」という課題はなくなっていません。
ホームページは、企業の信頼を伝える大切なツールです。
しかし、目的や体制が曖昧なまま運用されているケースも少なくありません。
目次
なぜ多くの中小企業がホームページを「持っているのに活かせていない」のか

この記事では、中小企業がホームページを活かせていない主な原因と、今こそ見直すべき3つのポイントを整理します。
「作っただけ」で止まっている状態から、「成果を出す」状態へ。
その第一歩として、ぜひチェックしてみてください。
理由1.目的が曖昧なまま制作してしまっている
制作時点で「なぜ作るのか」「誰に向けて発信するのか」が整理されていないケースが多く見られます。
ホームページは、目的とターゲットが明確であるほど強いツールになります。
例えば「新規顧客を獲得したい」のか、「採用に活かしたい」のかによって、必要な導線や内容はまったく異なります。
なぜ作るのかが明確であれば、デザインや構成の判断にも迷いがなくなります。
制作の段階で何を目的にするのかを明確にし言語化することが、成果への第一歩です。
一方で、「とりあえず会社案内として」「前のデザインが古くなったから」といった理由で制作してしまうと、どんなに見た目が美しくても成果にはつながりません。
理由2.更新や運用の体制が整っていない
「担当者が退職して更新できない」「修正を業者に頼むたびに費用がかかる」
──このような声もよく聞かれます。
ホームページは、公開してからが本当のスタートです。
Googleの評価軸においても、情報の鮮度や更新頻度は重要な要素。
放置していると、検索順位だけでなく信頼性の面でもマイナスになります。
- 月1回のニュース更新
- 事例やお知らせの追加
- 古い情報の修正
最低限でも、上記のようなルールを社内で持っておくことが理想的です。
もし社内ではリソースを確保できない場合には、外部の運用支援を活用するのも有効です。
更新や運用にはコストがかかりますが、それ以上に成果へつながる投資効果が期待できます。
定期的な改善を行うことで、アクセス数や問い合わせ率の上昇など、実際の数値として結果が見えやすくなります。
例えば、毎月1回の更新を半年続けた企業では、アクセス数が約1.5倍、問い合わせ件数が約2倍に増加したケースもあります。
このように、小さな更新でも継続することで大きな効果を生むことができます。
「制作費は払ったのに成果が出ない」と感じる場合、その原因の多くは運用を止めてしまったことにあります。
限られた費用でも、成果に直結する部分に絞って改善を進めることで、費用対効果を最大化できます。
理由3.アクセス解析・改善が行われていない
アクセス解析を活用していない企業も少なくありません。
「どのページがよく見られているか」「どんなキーワードで来ているか」を把握しないまま更新をしても、効果検証ができず、改善の方向も見えません。
たとえば「アクセスはあるけれど問い合わせが少ない」場合、原因は内容ではなく、導線やCTA(行動喚起)にあるかもしれません。
データを見ずに修正を重ねても、成果が上がらないのは当然です。
Googleアナリティクスやサーチコンソールを使いながら、定期的にデータを確認し、仮説→改善のサイクルを回していくことが成果につながります。
また、アクセス解析は無駄なコストを減らす手段でもあります。
数字をもとに判断することで、闇雲なリニューアルや不要な広告出稿を避け、限られた予算で最大の効果を出すことができます。
たとえば、ある企業ではアクセス解析をきっかけに「最も読まれているページ」に問い合わせ導線を追加したところ、問い合わせ率が約2倍に向上しました。
このように、小さなデータ改善でも確実に費用対効果を高めることが可能です。
──
近年では、Google検索に加えてAIによる検索回答(AIO:AI最適化)の重要性も高まっています。
AI検索では、ページ構成や情報の正確性、専門性がこれまで以上に評価される傾向があります。
アクセス解析や改善のデータを活かして、「誰に何を伝えるか」を明確に整理しておくことが、AIにも理解されやすいサイトづくりにつながります。
今こそ見直したい「ホームページを活かす」ための3つのポイント

ここまで紹介した3つの課題は、少しの見直しで改善できます。
戦略から考える:目的とターゲットを明確に
制作やリニューアルを考える際には、まず目的を明確にすることから始めましょう。
「問い合わせを増やしたい」「採用を強化したい」「取引先に安心感を与えたい」
目的によって、構成やデザイン、導線設計の考え方は大きく変わります。
戦略の整理が不十分だと、すべての判断が“なんとなく”で終わってしまいます。
一度、社内で「誰に」「何を伝え」「どう行動してもらうか」を洗い出してみると、改善すべき方向が見えてきます。
関連記事 : ホームページ制作の失敗を防ぐには?よくある後悔と「成果が出るサイト」に変えるポイント
情報設計とデザインを伝わる構成に見直す
ホームページを訪れた人が、目的の情報にスムーズにたどり着けること。
これが伝わるデザインの基本です。
見た目の美しさだけでなく、情報の整理と導線設計(ワイヤーフレーム)が成果を左右します。
ページ構成が複雑すぎたり、情報が散らばっていたりすると、ユーザーは途中で離脱してしまいます。
まずは重要なページ(トップ・サービス・お問い合わせ)を中心に、「どんな流れで読まれるか」を整理してみましょう。
関連記事 : 中小企業のWebリニューアル|失敗しない進め方と費用目安も解説
運用・改善を継続する仕組みをつくる
公開後も定期的にページを見直し、更新・改善を続けることで、検索評価や信頼性は高まります。
- 実績や導入事例を追加
- よくある質問を更新
- 定期的なアクセス分析
このような継続運用が、ホームページを成果の出る資産に育てます。
リソースが限られる場合でも、四半期ごとの改善サイクルを設定するだけで十分効果があります。
関連記事 : Web集客で売上を増やす ! Webマーケティング
成果を出している中小企業の共通点
成果を出している企業は、共通して「Webを自社の成長にどう活かすか」を常に考えています。
小さな改善を積み重ねる姿勢が、結果として信頼や売上の向上につながっています。
制作会社にすべてを任せるのではなく、自社で考え、動かす意識を持つこと。
それが、これからのWeb活用に欠かせないポイントです。
ホームページは持っているだけでは成果を生みません。
しかし、目的を整理し、正しい方向で見直せば、確実にビジネスに貢献する資産に変わります。
成果を出す第一歩は、現状を知ることから。
自社サイトの課題を客観的に見直してみたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
「リニューアルや新規制作を考えているけれど、何から始めたらいいかわからない…」という企業様も多くいらっしゃいます。
そのような時には、方向性を整理できるWeb戦略設計プランもご活用ください。